映画の方、やっと視聴
連載当時小学生だった自分にとって一番の興味は特撮で、楽しみだったのは東映の日曜特撮(戦隊とメタリックヒーロー)と金曜のサンライズ勇者シリーズ。
周りの同級生が好きだったドラゴンボールとか幽遊白書とかスラムダンクとか、生身の人間の作品は全然興味が湧かなかったですね。
アニメのスラムダンクも、テレビが付いてたら見る程度。
そんなんだから漫画のスラムダンクを読破したのは社会人になってからでして、、、
いやしかし大人になってからで良かったと今は思っています。
青春を賭けた男たちの戦いを見て涙する。この感情は小学生の人生では不十分ですな。
読んだ人が、多かれ少なかれ「自分にもこんな青春があったんだろうか」とセンチになるためには、部活動と3年間という時間制限を経験せねば。
さて、本作の感想。
素晴らしい映画でした。
思い出補正、などという言葉を吹っ飛ばす斬新な演出。
解っているチョイスの名場面の数々(誤解を恐れずに言うと、テレビ局が番組企画などでチョイスしたなんちゃって名場面など屁でございます)。
まず、まさかの脇役化した主人公。
本編スラムダンクというのは桜木花道のサクセスストーリーで、スポーツ物でよくある「素人が才能を開花させて活躍する」という物語です。
モテない不良少年が女に誘われるままに部活に入って、ライバルと出会い、成功と挫折を味わいながら成長していく。
原作者(監督)はつまりこの桜木のサクセスストーリーは描き切ったと。
あえて再度描く必要はない。その通りですよね!だって完成した物語だから、そこに手を付けたら未練だと思われちゃう。
だから他の登場人物を描くことにしたんですよね。
宮城亮太を中心に。
なぜ宮城ら他の登場人物にしたのかというと、つまり今回の映画のテーマとして、
(バスケ歴4ヶ月の桜木に対して)「バスケに青春を17~8年かけた男たちの重み」を据えたんじゃないですかね。
赤木は、高校入ってやる気のない先輩たちに葛藤していてそれでも真剣に取り組み嫌われ役を買って出た孤独を3年分背負っている
三井は中学から天才とされ、周囲の妬みにより挫折。グレた自分とバスケを愛する本当の時分との葛藤を背負っている。
宮城は、憧れの兄。兄を愛するも周囲に比較されることへの葛藤。母に愛されているか自信が無くやはり兄と比べてしまう葛藤。そういったものを背負っている。
だから流川は描かれていないのか。
流川は桜木と同じく「今」を生きている選手だから。
今、山王に挫折しているから。
そして更に秀逸なのが、当時見ていた少年少女が親の年齢になってきたのも影響していて、
宮城の母にしっかり感情が乗るんだなこれが!
ソウタとリョウタへの感情が乗る乗る、。、
いやーー、こんな感じで全く別の視点で物語を堪能するとは予想外でした。
十年以上前に始まった物語の、待望の最終回!って感じでした。
なんだろう、、映画だからって前半に物語の説明をすることなく、
つまり最初からクライマックスで、待望の最終回を2時間感動のボリュームで見せられたって感じ。
是非見てほしい傑作です。